グループディスカッションとは?選考に取り入れる目的は?
採用試験でグループディスカッションが行われることを知って、焦っている人もいるでしょう。何も準備しないまま試験当日を迎えるのは不安です。今回の記事では、グループディスカッションとは、選考に取り入れられる目的、評価される能力や態度について紹介します。きちんと準備して当日を迎えましょう。
グループディスカッションとは?
企業や公務員の採用試験で、グループディスカッションが行われるようになっています。候補者が、チーム内でどのように行動するのか確認する狙いがあります。
グループディスカッションとは?
1グループ5~7名で構成されます。あらかじめ決められた議題についてディスカッションしますが、司会役などの指定はとくになく、グループ内で話し合って役職を決定します。
制限時間が設けられているので、ただ制限時間内にディスカッションすればよいというわけではなく、グループとしての意見をまとめなければいけません。
そして、グループでまとめた意見をスタッフの前で最後に発表します。そのときに慌てないように、そのときの役職もそれまでに決定しなければいけません。
グループディスカッションとグループワークの違い
グループワークは、グループで議論して、企画書や制作物を作成するようになっています。企業の研修などでも採用されていることが多く、発想技法などを駆使してアイデアを出すようになっています。人前で意見を発表するのが苦手な人でも、グループ内で発言できるようにリーダーは配慮しなければいけません。
また、両者に明確な定義はありませんが、グループワークのことをグループディスカッションと表現することもあるので、グループとして結論を導くという共通点はあるでしょう。
グループディスカッションの大まかな種類
5つの種類に分けられます。課題解決型は、時事問題などについて解決方法を問うものです。抽象的テーマ型は、抽象的なテーマを与えられるので、それについて討論します。資料分析型は、あらかじめ与えられた資料から考え方を導きます。ディベート型は、賛成派と反対派に分かれて、あるテーマについて討論します。そのほかにはケーススタディなどがあります。
グループディスカッションの種類
グループディスカッションの種類
就職活動のなかで、グループディスカッションを経験する方もいるでしょう。グループディスカッションは、選考過程のひとつとして実施されるケースがあります。ここでは、グループディスカッションにどんな種類があるのかをご紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
自由討論型
自由討論型では、抽象的なテーマについて自由に討論します。自由討論型は、自由度が高いので、話が脱線しやすい特徴があるため注意が必要です。
しっかりとテーマを意識しながら討論していくと、よい流れがつくれます。自由討論型では、働く意味や学生にとって必要な能力、将来についてなどの題材が多く、決まった答えがないというのも大きな特徴です。
選択型
選択型では、2つ以上ある選択肢のなかから答えを導き出すタイプのグループディスカッションです。複数ある選択肢を選ぶ際、答えが分かれてしまう場合もあるでしょう。
グループ内で答えが分かれてしまった場合は、多数決ではなく討論でひとつの答えを選ぶ必要があります。グループ全員が納得できるように、討論を重ねていくというところが焦点となるでしょう。
課題解決型
課題解決型では、出された課題に対して答えを導き出します。課題として提示される内容は、売り上げを2倍にするにはどうすればよいのか、キャッシュレス決済を普及させるにはどうすればよいのかといったものです。事時問題が出るケースもあります。
ディベート型
ディベート型では、2つの意見を対立形式で討論します。ディベート型のグループディスカッションでは、議論が白熱するケースが多く、グループ内メンバーの意見を聞きつつ討論していくところが焦点となるでしょう。
グループディスカッションでの役割
グループディスカッションする際、それぞれに役割があるのをご存知でしょうか。ここでは、グループディスカッションでの役割についてご紹介します。
司会
議論を進めるために司会進行の役割があります。司会は、議論をスムーズに進めるために調整するだけでなく、メンバーそれぞれが意見しやすいように導く大切な役割もあるでしょう。
タイムキーパー
グループディスカッションは、限られた時間のなかで実施します。限られた時間のなかで答えを導き出すために、時間の管理が欠かせません。
時間配分を間違えると、答えを導き出す前に終わってしまうというケースもあるでしょう。タイムキーパーは、時間内に答えが導き出せるように時間配分を決め、管理する大切な役割のひとつです。
書記
書記は、話し合った内容を書き留めてくれる役割です。議論していくと、つい熱中してしまい、方向性がずれてしまう場合があります。書記がしっかりと議論内容をメモしてくれていると、内容を把握し直したり議論の方向性がしっかりと定められたりします。書記が話し合った内容をしっかりと書き留めておくと、さまざまなメリットがあり、メンバーも安心できるでしょう。
グループディスカッションで気をつけたいポイントとは?
グループディスカッションする際、どんなところに意識するとよいのでしょうか。ここでは、グループディスカッションで気をつけたいポイントをご紹介します。
口調に気をつける
論議中に、グループ内で意見が対立するケースも珍しくありません。グループディスカッションで意見が対立した際、口調が強くなってしまうと相手も感情的になってしまい、議論がスムーズにいかなくなる場合があるので注意が必要です。
役割を意識する
グループディスカッションでは、司会やタイムキーパー、書記などの役割を与えられる場合があります。意見を発言するというのも、もちろん大切ですが、それぞれの役目をしっかりと果たすのも大切なポイントです。
グループディスカッションでみられている能力とは
人材を採用する企業は、どんなところを中心にみているのでしょうか。ここでは、グループディスカッションでみられている能力についてご紹介します。
協調性
採用する企業は、他者との協調性をみています。仕事をはじめると、他者と協力しながら一つの仕事をやり遂げたり、プロジェクトを成功に導いたりするシーンがたくさんあるため、協調性は重視されるのでしょう。論議中は、たくさん話せばよいというわけではなく、他者と協力しながら結論を導いていけるかという点を意識してください。
発想力
採用する企業は、就活生の発想力に注目しています。グループディスカッションでは、ありきたりな答えではなく、オリジナルな発想がキーとなるでしょう。
積極性
グループディスカッションでは、就活生それぞれの積極性がみられています。グループディスカッションでは、積極的に自分の意見を発言できているのかがポイントとなるでしょう。
ただし、あくまでもグループディスカッションなので、あまりにも積極的すぎるというのも考えものです。他者の意見もしっかりと聞きつつ、ご自身の意見も主張できるとよいでしょう。
論理性
採用する企業は、論理的に説明できるかという点もみています。他者にわかりやすく説明できる能力は、実際に働いてからも活かせる重要なスキルのうちの一つです。他者にわかりやすくご自身の意見を伝える練習は日ごろからできるため、意識してみるとよいでしょう。
グループディスカッションが選考に取り入れられる目的
チーム内でどのような行動を取るのか確認できます。また、採用試験の序盤に行うことで、大量の候補者をふるいにかけられます。
候補者のチーム内での動きを見ることができる
1対1の個別面談では、候補者の協調性の有無を確認するのは難しいので、グループディスカッションで候補者のチーム内での動きを見ることが可能になります。
また、コミュニケーション能力も確認されるので、人前で話ができるように練習しましょう。
一度に大量の候補者を選考することができる
1対1の個別面談では、時間と労力がかかってしまうので、一度に大量の候補者をふるいにかけるのが難しくなります。しかし、グループディスカッションは、一度に大量の候補者をふるいにかけられるので効率よく選考を進めることができるのです。
採用試験の序盤に行われているのはこのためで、グループディスカッションで評価が高かった人が、次の段階に進めるようになっています。
グループディスカッションで評価される能力や態度
さまざまな能力が求められています。候補者を採用したときに、チームの輪を乱さないかどうか確認されます。ただし、迎合するだけではなく、自分の意見も伝えていきましょう。
候補者の性格・価値観
グループディスカッションでは、リーダーやタイムキーパーなどの役職に就くようになります。試験官は、候補者がどのような役職に就くのを希望しているのか確認しています。それで候補者の性格や価値観が明らかになります。
リーダーシップ能力
どのようにリーダーシップ能力を発揮するのか確認しています。ここで注意しなければいけないのは、自分ばかり意見を主張する候補者や、ほかの人の意見を無視するような候補者は歓迎されないということです。
また、リーダーだけではなく、タイムキーパーなどのリーダー以外の役職の候補者も積極的に発言できるので、アピールしていきましょう。
論理的思考力
分かりやすくて筋の通った結論が導き出せるようにしなければいけません。時間内にこのようにまとめられる能力があるかどうか、そしてグループとしての意見をきちんと導き出せるかどうかを確認されます。
協調性
自分の意見を持っていて、自分の言葉で伝えられる能力は必要ですが、あまり意見を述べられていない候補者にも配慮する姿勢が問われています。
また、自分とは異なる意見が出たときの態度も見られているので、協調性をアピールしなければいけません。書類選考や個別面談では見えにくい部分なので、試験官にガッカリされないようにしましょう。
まとめ
リーダーシップ能力が高い人は、自分の意見ばかり押し付けることなく、周りの候補者の発言にも耳を傾けましょう。リーダーシップ能力が低い人は、自分の意見を述べるときは尻込みせずに述べましょう。
また、ほかの候補者と同じ意見でも、必ず自分の言葉で述べるようにします。人間にはさまざまなタイプがありますが、上手にアピールできればよい印象を与えられるでしょう。
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